「NPO法人コースター」訪問記

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8月27日(水)、NPO法人コースターの事務所を中田と諏訪の2名で訪ねました。

同法人の特徴の一つは、大きな活動拠点があり、その拠点の活用そのものが事業の軸のひとつになっているという点です。いまの拠点は、外観は町工場の事務所棟のような雰囲気の建物で、1階が事務所、2階が会議など多目的に使える貸しスペースになっています。大規模な助成金が得られたので、今後、隣にある数倍の規模の棟を改装して、より本格的な施設運営に乗りだそうという段階のようでした。

NPO法人コースターの活動は多岐にわたり、活動内容がイメージしにくい面がありますが、その理由のひとつは、震災後、外から持ち込まれる様々な支援に対して、代表の岩崎さんを軸に、地元の受け皿として機能してきたことにあるのではないかと感じました。この点は、今後、施設運営が本格化する中で、活動の柱が明確になることが期待されます。

もうひとつの理由は、代表の岩崎さんの、良い意味で稀有な活動スタイルにもあるように感じました。少なくとも神戸や大阪では、商工会議所や青年会議所などを中心に活動されている地元のビジネスセクターの若い人たちと、NPOで活動する若い人たちは、協力し合うことはあっても、あくまで別の世界の人、という雰囲気があります。しかし、岩崎さんの場合はそれが一人の中で自然に融合していて、市民活動側から見て、全く違和感のない雰囲気がありながら、地元の商工会や商工会議所にもしっかりベースを持っておられます(ただし、日々の活動のボリュームとしては、いまはNPOにほぼ専念されているとのこと)。神戸や大阪ではなかなか出会わないタイプのリーダーで、大都市圏以外のNPOの、新しい活動のスタイルとして、注目に値すると感じました。

NPO法人コースターは、現状では、パッと見の分かりにくさがあることは確かですが、実際に現場で話を伺ってみると、「ああ、これからはこういう時代なんだな」と感じさせるものがありました。NPOや市民活動が、当たり前のものとして、社会により深く根付いていく、そのプロセスを垣間見た気がします。

【中田コメント】代表の岩崎さんとは初めてお目にかかる。地元の製造業の跡継ぎ。地元の商工業が社会環境の変化に付いて行けず衰退している一方で、起業を目指すが、コネも地盤も持たない若者が増えている中、両者を繋ぐことを震災前から模索していたとのこと。アイデアが素晴らしいし、人間的にも能力的にもたいへん信頼できるとお見受けした。人材育成のソフトを徐々に築いていければ、素晴らしい仕事になりそう。