福島やさい畑訪問記(1)

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この寄付プログラムは、私(中田)の東京に住む学生時代の友人から、「福島でとてもいい活動をしているNPOがあるのだが、車両が手に入らなくて困っている。寄付集めをする方法はないだろうか?」という相談を持ちかけられたことを契機に始まりました。

話をKECに持ち帰ったところ、「震災3年が過ぎた今、地元でいい活動をしているNPOが出てきているはず。そういうところを探し出して、共感寄付のスキームで協力するというのはどうか」ということでまとまりました。

私は、4月初旬、福島の中間支援NPOを訪ねて打ち合わせるとともに、すでに候補に挙がっていたいくつかのNPOを訪問することになりました。その最初が、福島やさい畑でした。

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同団体は、JR二本松駅にほど近い、カトリック教会の集会室に事務所を置かせてもらっていました。対応して下さったのは、理事長の柳沼千賀子さん。世間話もそこそこに活動内容について詳しく教えてもらったところ、正直、私はびっくりしてしまいました。というのは、毎週、東京に野菜を運んで教会やお寺に集まる方に買っていただいていると聞いていたので、たいした量にはならないだろうと考えていたのが、何と毎週合計で平均40万円程度を売り上げていることが、会計資料などからわかったのです。年間にすると前年度は2000万円近くを売り上げていたというわけです。若いころ、有機農家を志し、農家でインターンをさせていただいたこともある私は、農産物の安さを身に染みてわかっていたので、その金額が、教会ボランティアによるささやかなチャリティ(関係者の皆さん、ごめんなさい)どころではなく、風評被害に苦しむ何件かの農家さんにとっては、生命線とも言えるような支援になっていることがわかりました。

 

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また、放射線汚染へしっかり対応していることはもちろんのこと、農薬をなるべく使っていない農家、しかも専業農家への支援を優先するなど農業の復興に協力していく方針を明確に持っていて、その点でも、強く共感しました。

その日は、4月なのに昼間から雪が舞うという寒い日でしたが、心には熱いものを感じて二本松を去ることができたのでした。

中田豊一(KEC理事長)